有相無相
有相無相
うそうむそう
形や相のあるものと無いもの。
現象の世界と精神の世界。
また執著、差別の世界と執著を離れた平等空寂の世界。
遷滅有為法を有相、涅槃無為法を無相ともいう。
『十八円満鈔』に「有相無相の二行を修して万法円満す」(定二一三八頁)とあるは、天台宗では一般に、有相行は身・口の行によって意の行を助ける四種三昧をいい、無相行は意の行たる十乗観法をいう。
『法華四安楽行』にこの二種の修行を出し、有相、無相の二行が互いに仏道を成ずとする。
『止観輔行伝弘決』巻二に「菩薩法華を学ぶに二種行を具足す。
一には有相行、二には無相行なり。
無相安楽行は甚深妙禅定、六情根を観察す、有相安楽行は、此れは勧発品に依る。
散心に法華を誦し、禅三昧に入らず坐立行一心に法華の文字を念ず」とある。
故に法華経を読誦、唱題する修行は有相行、観念観法の止観坐禅の修行は無相行である。
《『遺文辞典』教学篇「有相無相の二行」の項、『岩波仏教辞典』「有相・無相」の項》