不退転
不退転
ふたいてん
梵語では、avinivartanīya音訳では阿鞞跋致(あびばつち)・阿惟越致(あゆいおつち)、漢訳では不退・不退地ともいう。
法華経では不退転(序品等)、阿惟越致地(勧持品・寿量品等)などが使われている。
つまり仏道修行の過程で既に得たる功徳を決して退失しないことをいう。
これに三不退・四不退・五不退の別がある。
三不退とは位不退・行不退・念不退で、これを円教五十二位に配すれば、初信以上は信不退、八信以上を行不退、初住以上を念不退とする。
四不退とは信不退・位不退・証不退・行不退。
五不退は浄土門で立て、四不退に煩悩不退を加える。
日蓮宗では法華信仰から退転しないことを不退転という。
『開目抄』に「今度強盛の菩提心をおこして退転せじと願しぬ」(定五五七頁)と。
《『遺文辞典』教学篇「不退転」「不退」の項、『広説仏教語大辞典』「不退轉」の項、『新版仏教学辞典』「不退・退」の項、『岩波仏教辞典』「不退」の項、『天台学辞典』「位不退」「行不退」「念不退」の項》