日源(岩本実相寺)
日源(岩本実相寺)
にちげん
(-一三一五)
字は智海、もと天台宗に属し播摩法印と称した。
静岡県岩本山実相寺開山。
実相寺はもと天台宗寺門派に属し、日源は第四代の貫主厳誉の時、その学才を嘱望され、若くして学頭職を務めた。
正嘉二年(一二五八)日蓮聖人が一切経閲読のため来山の折、聖人の『摩訶止観』の講義を聞いて聖人に帰依の志をいだいたが学頭職の故にそれを果せず、弘安元年(一二七八)実相寺を去って身延入山中の聖人に帰伏して日蓮宗義を研鑚。
その後、官の命により実相寺第五世貫主となり、宗を改めて日蓮宗の道場とした。日源を実相寺開山と仰ぐゆえんである。
その後、各地を布教し武蔵雑司谷の真言宗法明寺を改宗、また武蔵碑文谷法華寺、駿河東光寺、正法寺等を創建して弘通の拠点とし、教線を拡大した。
なお日源が正安三年(一三〇一)七月一五日に書写した聖人の遺文『本尊問答抄』は、聖人の真筆本が存在しない今、その全内容を
伺う最古の貴重な写本で、実相寺に所蔵する。
《『日源上人とゆかりの寺院』、『昭和新修』別巻「実相寺日源」の項、『日蓮聖人大事典』「日蓮聖人の門弟」の項》