大佛次郎
大佛次郎
おさらぎじろう
(一八九七-一九七三)
昭和時代の作家。
横浜に生れた。
本名は野尻清彦。
『鞍馬天狗』のほか『赤穂浪士』などの時代物で知られ、現代物にも『帰郷』『宗方姉妹』などがある。
また『パリ燃ゆ』や絶筆となった『天皇の世紀』など史伝物の著作もあり、歴史に生きる自由な人間精神と知性を表現し、文学性と大衆性を共存させた作風を確立した。
昭和五年(一九三〇)とその翌年に小説『日蓮』上下二巻を先進社より刊行した(昭和三一年に河出書房から再刊)。
この作品は、日蓮聖人の生涯を小説化した作品中の傑作である。
迫害に傷つきながら逆化折伏の戦いを進め、法華経の行者としての体験をこの世にしるし大河のように進んできた日蓮聖人の人間像を浮き彫りにしている。
昭和四八年(一九七三)七五歳で没。
《『国史大辞典』二巻「大佛次郎」の項》