勤行
勤行
ごんぎょう
仏道修行を勧め行ずるの意で、大乗仏教の菩薩が実践すべき徳目である六波羅蜜のうちの「精進」にあたる。
『優婆塞戒経第一』に「勤行精進して不休不息なり」といい、又、勤行は昼三時、即ち晨朝(じんちよう)、日中(につちゆう)、黄昏(こうこん)と夜三時、即ち初夜(しよや)中夜(ちゆうや)、後夜(ごや)の都合六時につとめるのが本来であるとされているが、これは『大智度論』に「仏、常に昼三時、夜三時、仏眼をもって偏く衆生を見る(略)神通力を以て所見に随って衆生を教化す」また、「菩薩の法、昼三時、夜三時、偏袒右肩し、十方仏を礼し奉る」と仏が昼夜六時に衆生をを見守り給うから、衆生も又、六時に礼拝するのであるといわれ、『法華懺法』の次第中にも、晨朝から後夜までの六時各別に修する時をあらわす偈文を載せているのは、本来六時に修すべきおつとめであることを示すものである。
日蓮宗の勤行は法華経読誦と唱題を中心として組み立てられているが、現行の勤行法式がまとめられたのは、優陀那院日輝(一八〇〇―五九)の『充洽園礼誦儀記』であり、更に毘尼薩台巌の『要文集』等によって、勤行法式が整い、また、この勤行法式が年中行事法式を始め追善法要等に至るまでの諸種の法要儀式の骨格となっている。
《『遺文辞典』歴史篇「勤行」の項》