加持杖
加持杖
かじじょう
加持のとき病人や魅女(よりまし)を打つ棒。
桃の木(またはざくろ)を一尺あまりに切り、悪霊鬼魅、病魔等を退散させるために願主の適所、患部等を打つ。
桃の木を使用するのは、邪気を避け、悪鬼を払う仙木とされているため。
『摩訶止観』巻第八の上に、「また、身上に痛むことあるところにしたがって、杖をもって痛く病処を打つこと四たび五たび十たびにいたる。
(略)諸の病は心の作にあらざることなし。
心に憂愁の思慮あらば邪気入ることを得。
いま痛をもってこれに迫れば、すなわち横想に暇あらず、邪気去り病除かるるなり」とあり、加持杖使用の典拠とされている。
本宗の修法も、当初はこの加持杖をもって行ったが、後に剣形の木剣となり、更に現今のような板木剣に変化してきた。
加持杖を改めて剣形としたのは、日蓮聖人のいわゆる「元品の無明を切る大利剣」の切断の義をとって形を剣に擬したと考えられる。
このことについて『祈祷故事略旨』は、天台大師は「事杖」をもってこれを「打ち」、聖人は「理剣」をもってこれを「切る」のだと説明している。