入唐求法巡礼行記
入唐求法巡礼行記
にっとうぐほうじゅんれいこうき
四巻、慈覚大師円仁(七九四-八六四)著。
八三八年から八四七年の円仁九年間の在唐(中国)中における仏教寺院の巡拝等艱難辛苦の旅行見聞体験記。
円仁は入唐以来五台山、中国北部各州を経巡って首都長安に達し、金剛・胎蔵両界の大法、蘇悉地法、儀軌を伝授、悉曇(しつたん)の声韻を学んで帰国、経論疏五五九巻を将来した。
本書によって中国北部の広範な地域・都市の様子、唐代の仏教の動静、武宗の廃仏の状況などが知られる。
『立正安国論』(定二一八頁)に念仏亡国の一例証として本書の武宗の廃仏の一節が引用され、「須く善に帰し凶を捨てて源を塞き根を截るべし」と述べられている。
同文が『念仏者追放宣状事』に引かれている(定二二六一頁)。
『仏全』『続々群』所収。
《『遺文辞典』歴史篇「入唐巡礼記」の項、『岩波仏教辞典』「入唐求法巡礼行記」の項》