妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

依智御発足の弁

えちごほっ(はっ)そくのべん #613

依智御発足の弁

えちごほっ(はっ)そくのべん

繰り弁の一つ。 一般に文八(ぶんぱち)と呼ばれる一三講話のなかの一幕で、文八の最後を飾る弁。
文永八年(一二七一)九月一二日、竜口で日蓮聖人を処刑できなかった幕府は、聖人の身柄を佐渡奉行の本間重連の館、相模の依智に移した。
一〇月に入って幕府の態聖人佐渡に決定した。 この、伝承によれば二五人の僧侶を含む七八人の改宗者を生んだという。
一方弟子日朗、幼き日進らを始め五人は、宿屋左衛門入道の土の牢に入れられた。 聖人は五人に対し「今月は十月、来月は十一月と日に増す寒さ」と思いやり、一通の書面をしたためた。 「日蓮は明日佐渡へまかるなり、今夜のさむきに付ても、ろうのうちのありさま思やられていたはしくこそ候へ」。 聖人は自分が明日佐渡に行くことも忘れ、弟子をおもう細やかな人情を添えて、日朗へ送った。
一〇月一〇日、約一ヵ月過した依智を離れ、北国寒山佐渡へと向った。
このの出来を、聖人の威徳を称えながら名調子に、詩情豊かに信者に語る弁をいう。

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