阿仏帰伏の弁
阿仏帰伏の弁
あぶつきふくのべん
繰り弁の一つ。
阿仏入信の弁ともいう。
念仏の信者阿仏房が塚原三昧堂の聖人を襲い逆に教化をうけて聖人の信者となる段である。
文永八年(一二七一)一一月一日聖人は佐渡塚原三昧堂にご配流の身となられたが、土地の念仏信者阿仏房は「念仏の敵、日蓮の頸をはねん」と三昧堂に忍びよった。
中から聞こえてくる御経の声は、配流の地の人の声ではない、この悪条件下でなお天下安穏を祈っている。
心の大きさがわかるようだ。
斬るのはいつでも斬れる、一つ話をしてみよう。
対面しての話は、外でお経の声を聞くよりはるかにすばらしく、念仏三昧のあけくれから、人よんで念仏房、阿弥陀仏房と言われるほどの念仏信者阿仏房も一夜にして聖人の大信者となった。
ちなみに阿仏房は順徳上皇の供奉者の一人として佐渡に渡った北面の武士、遠藤為盛であるとも土地の百姓であるともいわれている。
このあと、千日尼との夜の塚原三昧堂通いの繰り弁へと続くのである。