五分法身
五分法身
ごぶんほっしん
無漏(煩悩がないこと)の五陰をそなえた法身。
原始仏教では戒・定・慧・解脱・解脱知見の五つの教法そのものを五分法身といった。
この場合の法身とは法の集積の意味である。
天台大師智顗の『請観音経疏』には色・受・想・行・識の五陰を転じて、順次に戒身等の五分法身を得ると説いている。
(1)戒身=色陰が転じて、身心が調整されて非を防ぎ悪を止めること。
(2)定身=受陰が転じて、身心ともに動揺のなくなること。
(3)慧身=想陰が転じて、心性としての仏性が清浄で明らかであること。
(4)解脱身=行陰が転じて、煩悩の束縛から解放され、法にかなった理想的なはたらきが自由にできること。
(5)解脱知見身=識陰が転じて、煩悩の束縛から解放され、法にかなった理想的なはたらきが自由にできることを知見するようになること。
《『遺文辞典』教学篇「五分法身」の項、『岩波仏教辞典』「五分法身」の項》