妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

清澄下山の弁

きよすみげざんのべん #3995

清澄下山の弁

きよすみげざんのべん

繰り弁の一つ。
日蓮聖人の蓮長時代、清澄山における初転法輪が、地頭東条景信の怒りに触れ、道善房の計らいにより山を下りる情景を語った段。
聖人は諸宗研鑽を終えて清澄山にもどり、建長五年(一二五三)四月二八日、旭森の山頂で立教開宗の宣言をした。
その日、道善房持仏堂で初めての説法を行った。
法華経の一切経中における最勝の価値と、題目の受持一行を強調して諸宗の誤りを指摘し、特に念仏は無間地獄と批判した。
熱心な念仏者である景信は激怒し、聖人を殺害しようとしたが、道善房の情により難をさけることができた。
しかし道善房は景信らの怒りを静めるために、聖人を涙ながらに勘当した。
本弁は師である道善房が「心を静めて考え見よ」と、聖人の改心を願いたしなめ叱りつつ、心で泣いて別れを惜しむ。
聖人は「法華経受持の功徳によって、霊山に必ずお迎え申し上げ今日のお詫びは致しまする」と、感涙にむせび山を下りる、という内容で、師弟の離別を通して師の厚情と聖人の法華経受持の覚悟、その偉徳とを語る弁である。

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