浄行菩薩
浄行菩薩
じょうぎょうぼさつ
『法華経』涌出品において、釈尊の召命に応じて大地より涌出した本化地涌の四菩薩のひとり。
『生死一大事血脈鈔』(定五二四頁)では、四菩薩を地水火風の四大に配する中、浄行菩薩を水大に配する解釈がみえる。
ここから、浄行菩薩は垢穢(くえ)を浄めることを行とすると考えられ、古来、日蓮宗では、衆生の身心を浄らかにする徳を有した菩薩として信奉されてきた。
人々は、浄行菩薩の身体を洗い浄めることで、自身の汚れた六根を清浄にし、迷いの煩悩から解脱することを祈念した。
更にここから転じて、菩薩の尊体のうち、自身の悪いところや病気・怪我などで痛む箇所と同じ部位を清めて祈願をすれば、霊験によって身体の病いも、心の病いも除こり癒えるという計り知れない功徳を授ける菩薩として、人々の信仰を集めた。
また、寺院では境内地などに「浄行堂」が造営されることも盛んに行われた。
《『遺文辞典』歴史篇「浄行菩薩」の項》