乗種
乗種
じょうしゅ
「乗」とは教法をいい、「種」とは仏の種子(仏種)のこと。仏果を成ずべき根本原因を因果具足の種子に喩えた「仏種」に二義ある。性種と乗種である。性種が衆生が本来具有している仏性を指すのに対し、乗種は仏乗種ともいい、衆生成仏の因果を説き顕して籠められた仏の教法を仏種とするのである。即ち道法的種子のことである。
『法華文句』会本巻一二に妙楽は「果仏の種は浄縁より起り、衆生の種は説縁より起る」と述べている。本仏は法性(理)を縁として仏果の種を成じているが、凡夫は自己の仏性をそのまま種として成仏はできず、必ず仏の説く教法の縁をもって種とし、仏性を開発するのだという。
日蓮聖人が「下種」を強調されるのもこの意で、本仏釈尊の因果を籠められた一念三千仏種(定七一一頁)南無妙法蓮華経を、末法の本未有善の衆生に下して衆生成仏を実現させようというのである。