朱印地
朱印地
しゅいんち
江戸幕府によって、有力な寺社に下付された寺社領のこと。
将軍家の朱印を押印した文書によることからその呼称が起った。
即ち朱印地とは朱印状により領有権を確認された寺社領で、証文地ともいう。
一定の土地、山林、屋敷などの支配権、そこからの年貢課役の徴収を許可確認された土地である。
朱印地の売買質入は禁止され、将軍家の代替りごとに新たな朱印状を与えた。
朱印状には将軍の朱印が押印され、寺社領の石高、それに境内、門前屋敷、山林竹木などを付加したものなどがある。
江戸の朱印地は有力寺社に限って下付され、上限は万石以上から一石未満まであるが、大半の寺社は五〇石未満を占める。
慶安元年(一六四八)以降は朱印地下付を極力制限している。
かくして朱印地を与えられた寺社の場合、御朱印寺社として外の寺社よりも一段高い格式があると認められ、大名領内にある場合には、半ば独立した存在で、江戸幕府寺社奉行の管轄下にあった。
また日蓮宗の場合は他宗に比べて少なく、本寺格の寺院でも朱印高は低いことが目につく。
これは、不受不施論争による国主の寺領、地子の布施供養のうけとめかたに問題があったことによるものであろう。
《辻善之助『日本仏教史』近世編、家永三郎『日本宗教史』三、豊田武『日本宗教制度史の研究』、中田薫「御朱印寺社領の性質」『法制史論集』二、圭室諦成『日本仏教史概説』、中村孝也『徳川家康文書の研究』、宮崎英修『不受不施派の源流と展開』、『国史大辞典』七巻「朱印地・黒印地」の項》