日伝(建立院)
日伝(建立院)
にちでん
(一三四一-一四〇九)
字は大円、建立院と号す。京都十六本山の本国寺第五世。
鎌倉の生まれで、幼少の折に本国寺の妙龍院日静に師事している。
日伝の事跡は明らかでなく、寺伝によれば足利義満の帰依をうけ、康暦元年(一三七九)には大客殿が建立されたといい、元中三年(一三八六)には五重塔が建立されたというように寺門の拡張に力を注いでおり、応永七年(一四〇〇)尾張国(愛知県)萱津妙勝寺日禅に宛てた書状によれば、前年に尾張に下向し弘通している。
その折に妙勝寺を本国寺の支配下に組み込んでおり、同寺を坂東総本寺として本国寺教線伸張の本寺としている。
応永一三年一〇月には泉州(大阪府)堺にも布教の手を延ばし、弟子の法光院日験を派遣し成就院を建立しているように日伝は初期における本国寺教線伸張の第一人者であった。
また応永四年には同門に当る本成寺の日陣と本迹一致論を論争しており、これをきっかけに日陣と対立し本成寺派とは離反している。
『本迹問答高広義』一巻を著述している。
《『日蓮教団全史』上、望月歓厚『日蓮宗学説史』、『日本仏教人名辞典』「日伝」の項、『国史大辞典』一一巻「日伝」の項》