施本布教
施本布教
せほんふきょう
本宗の檀信徒はもちろん、未信徒の教化を目的に、法華経および日蓮聖人の教えの平易解説、宗門の歴史、信仰小説、教勢の情況、法話などを小冊子ないし雑誌類にまとめたものを、施本として用いて、布教伝道に資することである。
その代表的なものとして『日蓮主義』『正法』があげられよう。
月刊誌『日蓮主義』は、昭和二年(一九二七)に創刊された。
発刊に際しては、式を挙行し、酒井日慎管長の宣言文を全宗門に流すという、宗門文書伝道の創始にふさわしい熱の入れようであった。
日蓮宗宗報一六六号には「施本用宣伝冊子の刊行」と題し、みんなの雑誌『日蓮主義』は、教線拡張に最適なものであり、「タッタ一銭三厘を施こすことによって恵まれる法悦歓喜の世界は、その値い実に千万無量」と宣伝している。
『日蓮主義』は各寺院に一定の部数を割り当てたこともあって、世に日蓮主義の鼓吹に大きな役割を演じた。
このように宗門唯一の伝道機関誌としてその目的を十分に果し、昭和一九年(一九四四)第二次世界大戦の末期と共に、用紙の不足から終刊の余儀なきに至っている。
『正法』(A5版)は『日蓮主義』にかわるものとして、昭和四七年七月に創刊された。
初め正月と盆の二回の発行であったが、昭和五三年には会式時にも発行し、檀信徒向けの教誌として施本などに用いられた。
そのほか代表的なものでは、身延山久遠寺で発行している『みのぶ』、池上本門寺の『池上』、個々の寺院からは『求道』(東京・釈迦本寺)、『み仏とわたし』(東京・本仏寺)、『日蓮宗のおしえ』(東京・宣要寺)、『光明』(山梨・昌福寺)、『霊仙』(静岡・安立寺)、『たちばな』(京都・妙覚寺)、『まんだら』(池上・池上二・一会)がある。
『みのぶ』は、明治中期に、『法の光』という教誌名で発行されたものが、大正年間『天鼓』更に『身延教報』と改題され、後『みのぶ』となった。
『池上』は昭和二八年(一九五三)にB5版四頁ものの寺報を兼ねた布教紙として発行され今日の教誌(A5版)となった。