往生拾因
往生拾因
おうじょうじゅういん
一巻。
三論宗の永観(一〇三三-一一一一)著。
本書は永観が康和五年(一一〇三)南都東大寺において著したもので、晩年の願生思想が表れている。
そこでは念仏の一行に一〇種の勝因が備わることが示され、一心に阿弥陀仏を称念すれば必ず浄土往生を得ると説かれる。
十因とは一に広大善根の故、二に衆罪消滅の故、三に縮縁深厚の故、四に光明摂取の故、五に聖衆護持の故、六に極楽化生の故、七に三業相応の故、八に三昧発得の故、九に法身同体の故、一〇に随順本願の故である。
この『往生拾因』は『往生講式』と相まって、当時念仏称名を勧める書として、日本中に広まった。
《『岩波仏教辞典』『国史大辞典』二巻「往生拾因」の項》