妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

寺泊海岸の弁

てらどまりかいがんのべん #1838

寺泊海岸の弁

てらどまりかいがんのべん

(朗尊)繰り弁の一つ。
日朗が佐渡流罪となった日蓮聖人の安否を訪ねて、寺泊の海岸より佐渡に渡らんとする情景を語った段。
一般に「土牢の弁」に続いて語られる。
本弁は、竜口法難の際、宿屋左衛門入道の土牢に捕えられた日朗は、陰膳を供えて佐渡聖人の無を祈っていた。
その心に打たれた牢番人は日朗を密かに佐渡へ渡そうと決心する。
その情けにより中仙道を走り寺泊に着いた日朗は、土地の漁師に舟の用意を頼むが聞き入れられず、風雪の荒海を前に立ちすくんでしまう。
雪の中に倒れているところを船役人石川右衛門に助けられる。
右衛門は聖人の弟子日朗であることを知り、聖人が書かれた十界勧請大曼荼羅を示し、自分は聖人が佐渡配流でここに滞在した時に、その化を受け法華経に入信した者であると、その身の上を語る。
そして「私が必ず佐渡までお渡し申し上げます」と、右衛門の助けにより、日朗は無事佐渡に上陸することができるという内容で、師孝第一といわれた日朗の偉徳と、右衛門の心情を通して、法の縁の尊厳を信者に語る弁である。
《『遺文辞典』歴史篇「寺泊」の項》

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