孝
孝
こう
父母によく従い仕えること、親思い、孝行、孝養。
また祖先の遺徳を継ぎよく仕え応えてゆくこと。
聖人は法華経は「内典の孝経」(定五九〇頁)であり、支持し実践することが「第一の孝養」(定一四五四頁)であるとする。
「外典三千余巻にも忠孝の二字こそせんにて候なれ。
忠又孝の家より出つとこそ申候なれ」(定四四三頁)と外典の教えも孝が道徳の根幹をなすという。
しかし「儒家の孝養は今生にかぎる。
未来の父母を扶けざれば、外家の聖賢は有名無実なり」(定五九〇頁)と述べ、外典の孝は今世に限る孝養の一分であり、未来の救済、三世にわたる孝養は法華経に極まるとし「必ず四恩をしって知恩報恩をほうずべし」(定五四四頁)と説く。
法華経に違背する者を「不孝第一」となし、たとえ父母でも、それをいさめ引導してゆくことが、真実の報恩、孝養であるとする。*
《『遺文辞典』歴史篇「孝」の項、『日蓮辞典』「孝」の項》