吽字義
吽字義
うんじぎ
「吽字義釈」、「吽字真言」、「吽字一字真言」とも表題され、空海(七七四-八三五)述。
一巻。
『弘法大師全集』第三巻教相部、『正蔵』七七巻、『国一』密教論釈部に収録。
空海における十巻章の一、また『即身成仏義』、『声字実相義』と合わせて、三部の書と称される。
一切のものを見るに、秘密眼をもってすれば甚深無量の義趣があり、この吽の一字についても千万無量の深義がある。
これを開けば八万四千の法門、無量の教義は皆この吽字より流れ出たものであり、末を摂して本に帰すれば見聞覚知の境界、顕密一切の諸教がことごとく吽の一字に帰結すると説かれ、全体を離釈段、合釈段の二段に分けて詳論している。
恵果和尚の口説と、『両部大経』『守護経』『大日経疏』等を基として、論述したもので、更にその間に自身が抱懐する密教の奥旨を縦横に述べており、密教家の教相上、最も肝要な書とされている。
《『遺文辞典』教学篇「吽字」の項、『岩波仏教辞典』「吽字義」の項》