妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

一老職

いちろうしょく #65

一老職

いちろうしょく

身延山支院(塔頭ともいう)を代表する伝統的職制をいい、またその職にある者をいう。
現在支院三二ヵの組織と能を果すうえでの象徴的存在となっている。
一老職が設けられた年次は明らかではないが、身延二二世心性院日遠が制定した「寺中万代法式」の署名の順序をみると、法主(ほつす)日遠の次位に「一和尚三宝院日楽」という署名が見られる。
この日楽は麓の一三世であり、万代法式が制定された一ヵ月後の慶長九年(一六〇四)八月二〇日に寂していることから、日楽は当時高年齢に達して支院老格であったことが知られ、久遠寺蔵『身延山坊跡録』の麓坊に関する箇処で「日楽ハ乾遠両師代一老職、寺中万代式目定ノ一老ナリ」と記している。 因みに寺中万代式目とは、久遠寺並びに塔頭・門前町に関する法(法制)である。
この重要文書の制定に当って、久遠寺法主の次位に署名加判をしていることから、日楽が支院の代表者、つまり一老であったことが解される。 また『寺中万代之法式追加出之条』の中にも「一老ハ一宗ノ堂シ(導師)成ル故、貫主江取次ナク出ルベキ事」と見え、一老職の格式と権威がうかがえる。

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