妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

俎岩の弁

まないたいわのべん #619

俎岩の弁

まないたいわのべん

繰り弁の一つ。
弘長元年(一二六一)五月一二日、日蓮聖人が伊豆伊東の俎岩の上に流されんとする情景を語った段。
伊豆法難一連弁中の山場となるもので、有名な「由比ケ浜の弁」の続説また「船守弥三郎夫婦の入信の弁」の前説となる弁である。
本弁は同日、聖人は由比ケ浜より船に乗せられ伊豆伊東へ流となる。
そして途中、笹見浦の俎岩の上に置き去りとなる。
満潮には海中に没するという俎岩の上で、一心に読経唱題していると、通りがかった川奈の漁師船守弥三郎に助けられる。
弥三郎は聖人の偉徳に打たれ、船中にてその教化を受けに案内する。
村には地頭より「日蓮をかくまうな」の触れがすでに出ており、弥三郎夫婦は混惑する。
聖人は夫婦にが及ぶことを考え、一人伊東へ行こうとする。
しかし夫婦は聖人の法華経信仰の強さと、その人格に感動し、裏の洞穴へかくまうことを決心するという内容で、俎岩上の聖人の不動の姿、不思議な弥三郎との出会いとその厚情を通して、法華経の加護を受け正法流布に生きる聖人の偉徳を語る弁である。

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