いちにちぎょう
一般には多人数で一部の経を一日で書き終えること。
ことに法華経の頓写経をいうとされるが、実際にはそうではなく、死後の地獄の重苦にあえぐ人を一日のうちに救済する目的で始まった写経功徳の善業をいう。
その起源となる話は『法華伝記』にある。
即ち地獄の罪人を救うという先例の利益を頼んだ信仰より出ている写経方式である。
平安・鎌倉時代を通じて実修されたもので、おびただしく多い文献例をもつ。
日蓮聖人は弘安四年(一二八一)一一月二四日この法会を修せられている(定一八九四頁)。
《兜木正亨「信仰と経典」『仏教考古学講座』六巻、『遺文辞典』歴史篇「一日経」の項、『日蓮辞典』「一日経」の項》