阿尾奢法
阿尾奢法
あびしゃほう
阿尾舎、阿尾賖、阿比捨に作る。
入、接近、占領等の義で、摂縛と訳す。
魅女・託人(よりまし)の法といい、現今の寄り代の基本的なものである。
別名を「加樓羅阿尾奢法」ともいう。
七-八歳位の童男または童女を坐らせ、天神等を請降してその支体に遍入させ、未来の善悪、吉凶、災祥、成敗等を語らせ、あるいは病者を悩ます鬼魅等を摂取してこれを呪縛し、もって疾を除き、祅をはらう法である。
不空三蔵の訳『速疾立験摩醯首羅天説阿尾奢法』には「童男童女の七・八歳ばかりにして、見に瘢痕(傷あと)厭面記(ほくろ)なく、慧聡霊なるをえらび、素食せしめ、全身に香をぬり、浄衣を着せて壇上に坐らせ、種々の印、真言を以て応誦すること七徧、童男童女戦動して聖者其の身に入る」とある。
『宗高僧伝』一に、「金剛智三蔵、宮中にて七歳の二女を呪縛し、公主の魂を冥界より招致せる」を記し、わが国では無動寺の相応和尚、宮中にて阿比舎を修し、二童子を呪縛し、園城寺の行尊、また宮中においてこの法を修したことが『元亨釈書』一〇、一二に見える。
《『修験故事便覧』》