転衣
転衣
てんね
僧侶が自分の僧階に相当する袈裟より上級の袈裟を着用すること。
明治三〇年(一八九七)の『日蓮宗宗規』宗則第六号賞罰条例、褒賞の項に「一転衣 教師試補中ノ者ニ限リ素紫若クハ紫金襴袈裟着用ヲ許可ス」。
次いで懲罰の項に「停止若干ノ年月ヲ期シ住職権及ビ転衣ヲ停止ス」との規程がある。
(牧口泰存・増田海円共纂『現行日蓮宗法令』明治三八年版)この条例にある教師試補は自已の身分としては木欄色(黄・茶)の袈裟着用が相当であるが、褒賞によって教師が着用する素紫・紫金襴着用を許され、非行を犯した場合は折角得ている転衣を停止される規程である。
またこれとは別に本末制度が行われていた当時、本山住職が自分の末寺住職の中で功績のある者に対し褒賞の意味から転衣を許可した。
但しこれはその本人が一代限り、その本山の行事関係または本人と本山との関係においてのみ着用できる制度である。
『日蓮宗法規』昭和八年版、「末寺住職任免薦挙規則」の履歴書雛形に「一 転衣 何年月日 何袈裟着用允許ヲ受ク」の一項がある。