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界縄

かいじょう #4170

界縄

かいじょう

現在『加行相伝目録』の中に「界縄之巻」があって、別相伝となっているため詳細な説明はできない。 この抄は「法華神道幣束之巻」とは別個のものである。
一般には「界縄」のことを、ただ「天符」といっている。
修法師が祈祷する法座の上に縄を張り幣をさげて、修法するものの守りとしている注連の一種である。 これについて忍辱鎧日栄著の『修験故事便覧』(亨保一三年=一七二八)には、「注連は浄穢を分つものである。 乃至宝塔品の娑婆世界、即変清浄、瑠璃為地、宝樹荘嚴、黄金為縄、以界八道」の経句を挙げているが、明治九年(一八七六)鶏溪日舜著の『祈祷故事略旨』にはこの宝塔品の経義が「界縄」の語源であり、「界縄を以て浄座を設け衆をして安坐せしむるなり」とある。 しかしこの「界縄」が現在の如きものであったかは不明である。
縄の引き方は古伝書を見ると二通り示されているが、これについての説明はない。
他の伝書には、ただ周囲に縄を引き廻し、三十番神幣をさげたのみで、中央の天符を付ける縄も組まれていないものを修法座上に張ったものもあった。
大正四年(一九一五)小山田日寿の『祈祷指南書』にある「秘法五行結縛縄口決」(これは正式の地鎮祭等に用いる)は、右の注連の発展したものであろう。
これは天符を付けた注連に更に星型五行を加えたもので、周囲には三十番神、天符側には二二種類の幣をさげ、星型五行には四二種類の幣が付き、四隅は角幣または四天王幣を結ぶもので、まことに複雑である。
現在の「界縄」は中央に天符が付けられる縄組みで、星型五行結縄はない。 周囲は三十番神でなく二十八宿幣となり、四隅の角幣か四天王幣は同じで、内側は天符を中心に土幣、三段幣、五段幣、七段幣となりいずれも片垂れ幣である。
古くは五段幣に書き込まれていた「日月躰風、如獅子王」の句が、いつ頃からか形が変って土幣の内側に書き込まれるようになった。
因みに、智明院流ではこの注連を、華索(かざりなわ)、とか「嚴縄」などと呼んでいる。

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