本法寺縁起
本法寺縁起
ほんぽうじえんぎ
一巻。
久遠成院日親(一四〇七-八八)著。
文明一九年(一四八七)七月述作。
正本京都本法寺所蔵。
なべかむり日親は文明一九年、弘通の拠点である本法寺(三条万里小路)を「永代不朽之宝所」となさんがため、規模の拡大と整備を計り、この『本法寺縁起』を著して、一門の真俗に示し勧進に乗りだした。
年すでに八一歳である。
この縁起書は寺の縁起というよりも、日親の自叙伝的記述が特徴で、彼はこの中で自己の法華経一筋の忍難弘通の生涯を披瀝して、我不愛身命の如説修行を実践したことを宣明し、苛酷な受難や不屈の諫暁を記して「一閻浮提無双の行者なり」と自負するのである。
日親は「生年二十一歳、応永三十四年春二月、講肆の門を開きしより以降、星霜八十一年、文明十九年秋に至るまで六十一廻の烏兎を送る」とあり、その間寺院の建立三〇余、公武の諫暁八度、「数々見擯出の鏡を磨き、嗷問禁獄の呵責を蒙る」と述懐する。
本法寺も二度破却されているのである。
正本の影印が『本法寺文書一』収載、『日親上人全集』第一巻に版本の影印収載、『宗全』二二収載。