朗惺寺(東京都品川区)
朗惺寺(東京都品川区)
ろうせいじ
東京都品川区に所在。
興栄山と号す。
池上本門寺旧末寺。
開山は池上・比企両山一二世佛乗院日惺(一五五〇-九八)。
『文政寺社書上』によると、日惺は徳川家康と親交があり、天正年間(一五七三-九二)に江戸八丁堀に二三二五坪余の寺地を拝領して比企谷からここに移り、当寺を開創した。
明暦三年(一六五七)の大火で焼失し、芝二本榎に替地を賜って移転、塔頭に円妙院があり、古くはほかに三坊を有したと伝えられる。
また一説では初め府内丸之内に五ヵ所約一万坪の寺地を拝領、ここに五ヵ寺を建立して当寺をその筆頭とし、池上の貫首が江戸城に登城の際の足溜りとしたという。
しかし神田川開鑿の折に下谷御徒町に移され、のちに芝二本榎、明治四二年(一九〇九)六月に現在地に移ったとする(『郷土の文学的資料』)。
いずれが正しい寺伝か明らかでないが、古くから両山(比企・池上)の触頭で芝の両寺として承教寺と併称される存在であり、享保年中(一七一六-三六)に乗輿独礼席を許された程であるから、池上門流中の有力寺院であったことは事実である。
《『本化別頭仏祖統紀』、『文政寺社書上』、『郷土の文学的資料』》