日院(実教阿闍梨)
日院(実教阿闍梨)
にちいん
(一三一二-七三)
民部卿といい、実教阿闍梨と号す。
身延志摩坊第二世。身延山久遠寺第六世。
『本化別頭仏祖統紀』などは姓氏不詳としているが、波木井南部長氏の『与日院書』(宗全一巻)によって同族の出身者であることは明らかである。
一説に長氏の子で、身延第五世日台とは兄弟であろうというが、『与日院書』からして、そうでない。
幼くして身延第三世日進について門に入り、比叡山・南都に学ぶなど、諸宗を尋ねること三〇余年を経て身延に帰り、山内志摩坊に住して日台から宗義をうけたと伝えられる。
貞治五年(一三六六)、日台が没すると、長氏の譲状(『与日院書』)によって久遠寺別当職に任ぜられ第六世を継いだ。時に五五歳。在位八年。
応安六年六月二五日入寂。寿六二歳。
なお長氏は実長の嫡男長義の嫡子で、当時波木井の総領職であり、入道して日長と号したが『与日院書』によると、開基檀那として身延の実権を握り、久遠寺を同氏の氏寺のように考えていたようである。
《『日本仏教人名辞典』「日院」の項》