旃陀羅
旃陀羅
せんだら
梵語caṇḍālaの音写。
旃茶羅・真陀羅とも書く。
インドにおける社会階級の最下層をいう。
インドの社会階級制度にはバラモン(司祭)、クシャトリア(武士)、ベイシャ(庶民)、スードラ(奴隷)の四姓がある。
旃陀羅はこの四姓からはずされ、下層のスードラのさらに下に位置する最下層で、狩猟・屠殺を業とする者、獄卒に従事するものをいう。
漢訳では屠家・執悪・下賤種・厳熾などと訳す。
法華経安楽行品に不親近処を述べる中に出づ。
日蓮聖人は自らの出自を「施陀羅が子」と述べられている。
日本では上下の社会階級制度としての施陀羅は存在しないから、この言葉はその意をとって、漁民の出自を述べたものである。
他に「海人が子」(『本尊問答抄』)「民が子」(中興入道御消息)等と記されている。
この「旃陀羅が子」とは海辺で殺生をなりわいとする「漁師の子」を指した言葉で、不可触賤民といわれるような最下級の出自ではなく、名主、荘官層に位置する中級漁民層の子であったと考えられている。
聖人の出自を語ったこれらの言葉は、宗教的な面からの位置づけであり、下層階級者との連帯感の喚起と、法華経の慈悲の広範な救済性を教示する意を含んだものとみることができよう。
《『遺文辞典』歴史篇「旃陀羅」の項、『日蓮辞典』『広説仏教語大辞典』『新版仏教学辞典』『岩波仏教辞典』「旃陀羅」の項》