妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

御陵御回向の弁

ごりょうごえこうのべん #2132

御陵御回向の弁

ごりょうごえこうのべん

繰り弁の一つ。
日蓮聖人佐渡にて阿仏房千日尼夫婦の願いにより、順徳上皇の御陵に回向をする情景を語った段。
佐渡法難を語る一連の繰り弁中の一つで、一般に「阿仏房改宗の弁」と共に語られる。
上皇は承久三年(一二二一)の承久の乱に敗れ佐渡配流となり、仁治三年(一二四二)九月二四日佐渡で没した。
そして供として仕えた阿仏房夫婦が、その菩提を弔っていた。
本弁は聖人の教化により、念仏を捨て法華経に改宗した阿仏房夫婦が、諸経中の最上の教え、一切成仏の法華経をもって、上皇の追善菩提の回向をと願い出る。 聖人は上皇の在島二二年のありさまを聞き涙ぐみ、その御陵に参詣する。 聖人は法華経を読誦し、都を慕う上皇の心情を察して「聞く人は今はなき世の不如帰(ほととぎす)、誰を忍んで鳴かぬ此の里」と、歌を御陵に手向ける。 すると不思議にも不如帰が、その徳に感応して鳴き出した。
という内容で、上皇の配流は邪法の失であると、正法の見地に立った聖人の教導により、熱心なる信者となった阿仏房夫婦の不惜身命の姿と、聖人の偉徳とを語る弁である。

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