妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

御奉謝会

おぶしゃえ #2105

御奉謝会

おぶしゃえ

日蓮聖人の初命日にあたる毎年一月一三日に行われる法要で、池上本門寺の年中行の一つである。
名称の由来は日運聖人の御恩徳に謝し奉るとの意味に受け取られているが、これをさらに起源的に探ってみると、年の始めにその一年の吉凶を占う行事として、弓で的を射ることが鎌倉時代頃から相当盛んに行われ、騎馬によるものを騎射(きしゃ)(流鏑馬(やぶさめ)などはこれに属する)といい、徒歩によるものを歩射(ぶしゃ)と呼び、騎射は武士によって神もしくは武術の鍛棟として行われ、歩射は庶民の間に年占(うしとら)の神として行われ、その後江戸代に至っても、主に農村に於ては各村落を単位として持続されており、これを、おびしゃ、びしゃ、ゆみぎとうなどと呼んでおり、これと大変関わりが深いのである。
おびしゃの行と日蓮聖人の初命日が結びつくようになったのは、池上本門寺近在の各村に講中が結成されるようになってからのことで、この期はおよそ第二四世妙玄院日等(享保一八年=一七三三)の頃からであろうといわれている。
近在の各村に結成された講中の講員が、本門寺の境内にある日朝堂(古くは常唱堂と称した)を依所として集まるようになり、従来は村落単位で行っていたおびしゃを日蓮聖人の初命日と結びつけて行うようになり、年占という弓神事の性格を離れて、日蓮聖人に対する報恩感謝のお勤めと併せて、講員各家の年中安泰を祈念する法要に変わってきたものである。
したがって、現在でもこの法要に参詣する人達は不特定多数の信者ではなく、近在結社日朝堂の各講員で、法要の後には近在結社の新年会を開催するのを恒例としている。
法要の内容は特殊なものではなく、方便品、自我偈、如説修行抄、唱題などで、出仕の僧侶と参詣者が一体となってお勤めするものである。

← 事典トップ