宗旨建立の弁
宗旨建立の弁
しゅうしこんりゅうのべん
繰り弁の一つ。
建長五年(一二五三)四月二八日、日蓮聖人が清澄山にて立教開宗を宣言せんとする情景を語った段。
「立教開宗の弁」「旭森の弁」ともいう。
聖人は一五年間の諸宗研鑽の結果、釈尊の出世の本懐は法華経である、との堅い信念を持って清澄山に帰った。
本弁は聖人が清澄山の諸仏堂の一室に閉じ込もって法華三昧に入り、一週間の満願の朝旭森に立ち、昇る太陽に向って「我れ日本の柱とならん、我れ日本の眼目とならん、我れ日本の大船とならん、南無妙法蓮華経」と唱える、という内容で、天地と共に広がる聖人の抱負を語る、求道期から伝道期への山場となる大切な弁である。
立教開宗に至る過程には、仏の真意と法の邪正、その悟りの鍵を握った聖人の「日本国にこれを知れる者、但日蓮一人なり」の自覚と「これをいわずば、今生に事なくとも後生は必ず無間地獄におつべし、いふならば三障四魔必ず競い起るべしと知りぬ。
二辺の中にはいふべし」という不動の決意があった。
その法華経弘通の信念を信者に語る弁である。