宗仲兄弟の弁
宗仲兄弟の弁
むねなかきょうだいのべん
繰り弁の一つ。
祖伝中、池上右衛門太夫宗仲の入信に続いて弟兵衛志宗長の入信、最後に父左衛門太夫康光の入信を通して真の親孝行を示す段である。
鎌倉幕府の作事奉行であった池上宗仲(伝承による)は友人四条金吾の紹介で聖人に会い大信者となる。
しかるに父左衛門は大の禅宗ごり。
弟の兵衛志は儒者と、池上家は三つどもえの宗旨論争となってしまい、宗仲の苦しみはひと通りではなかったが、自らの信仰は曲げることなく、まず弟兵衛志を法華経信仰に入らせ、兄弟そろって父の入信をすすめる。
ここに至って父の頑固と母の心配、更には兄弟の夫人方の苦しみは頂点に達した。
この情況をご覧になった聖人は『兄弟鈔』をあらわして、真の孝行とは何か、真の夫婦とは何かを説き示し、法華信仰によって固く結ばれた家庭のあり方を示されたのである。
このご教示に力を得た池上兄弟夫婦四人のすすめで、ついに父の左衛門も入信するのである。