天台三大部科註
天台三大部科註
てんだいさんだいぶかちゅう
三〇巻。
常不軽院日真(一四四四-一五二七)の著書。
天台大師の講述である『法華玄義』『法華文句』『摩訶止観』の天台三大部に科文註釈を加えたもので、正本は京都本隆寺に格護せられている。
本書は文明二年(一四七〇)、二七歳より数年にわたる研鑽の結果完成したもので、親交の深かった妙蓮寺日忠は奥書して賞している。
後年、明応七年(一四九八)日真五五歳の春に、後土御門天皇の内命を拝して前に著した天台三大部科註の書写を始め、同九年に成っている。
文亀三年(一五〇三)一〇月にはこの書を後柏原天皇の叡覧に供え、また御前にて法華経を講じたのである。
天皇は非常に嘉賞せられ、天覧本に『法華玄義』・『法華文句』・『摩訶止観』の三大部外題の宸筆色紙を賜り、「吉野若松」の銘ある金蒔絵の書見台を賜っている。
また合せて「法華宗日像菩薩、正統一門之開闢、常不軽日真者、称大和尚也」という宸翰が下賜せられ大和尚位を授けられている。
三大部科註には外題宸翰のことを右大将三条実香が奥書している。