国聖日蓮
国聖日蓮
こくせいにちれん
室伏高信の書いた評伝。
昭和一七年(一九四二)七月、潮文閣より刊行。
日本と日本の仏教が危機であった時代に生き闘った一個の危機的人物であった点を主要な関心として日蓮聖人を捉え、仏教革新のために生きぬいた「嵐の性格」を提示した。
また法華経の使徒として真理を貫いた情熱と信念や真理を愛しつつ日本を愛し国土を真理化するために国を救おうとした至情についても指摘している。
特に危機の時代に信念を貫いた日蓮聖人の姿を明らかにしたのは、第二次世界大戦に突入した当時の社会的危機を背景とした著者の観点に基づいている。
この立場から法華経の担当者として日本の柱と宣言した日蓮聖人が「国を背負って立つ」仏教改革者であり再建者であったと述べ、キリストに比肩する存在と見なした。
また日蓮聖人が熱烈な「寿量品の行者」であると同時に法華経の祖国を救う熱烈な日本人であった点を示し、法華経を事実として創造的に行動した側面を浮き彫りにした。