四十余年未顕真実
四十余年未顕真実
しじゅうよねんみけんしんじつ
法華三部経の開経である『無量義経』説法品の文で「四十余年には未だ真実を顕わさず」と訓ずる。
天台の教判である五時八教判の依文ともなる文。
釈尊は一代五〇年の説法で、華厳部、阿含部、方等部、般若部と次第して四二年間にこれら諸経を説かれ、後の八年間に法華経を説かれたが、四十余年間に説かれた諸経には未だ真実を説かず、八年間の法華経で真実を説かれた事をいう。
如来の出世の本懐は法華一仏乗によって一切衆生を悟らしめることであるが、仮に四十余年間に三乗各別などを諸経に説いたのであって、真実は法華一仏乗の教えである。
日蓮聖人の法華最勝の説は『守護国家論』(定九〇-一〇〇頁)を始めとして諸遺文に見られるとおり、天台の五時八教判によるところである。
とくにこの「四十余年未顕真実」の文は諸遺文の随所にみられ、法華経は実教、諸経は権教であることが説かれている。
《『遺文辞典』教学篇「四十余年未顕真実」の項、『日蓮辞典』「四十余年未顕真実」の項》