鷹筑波
鷹筑波
たかつくば
俳諧集、五冊、寛永一五年(一六三八)五月に山本西武によって編集され、同一九年秋に刊行されている。
内容は松永貞徳が発句・附句合せて二七六二句を集め、西武に清書させ出版したといわれている。
貞徳一門の初期の作品が集められており、まだ俳号を用いていない実名の頃の作や、俳僧の場合など寺号を冠しているのもあり、この頃の代表的撰集の一つにあげられている。
たとえば巻第一には本勝寺日能、第四巻には妙覚寺知足、本法寺実継等の日蓮宗関係の俳僧が作品をのせている。
特に日能については第一巻の巻頭に発句一五句、附句一九七句が採録されている。
また妙満寺塔中の成就院日如の句も、そのあと続いて発句一五句、附句八〇句が採録されているなど、本集の中では日能・日如といった俳僧を始めとして、多くの日蓮宗関係者が活躍している。
第五巻の中にも「妙満寺成就院にて」と題して西武らの句が載っている点から考え、更に『京都名家墳墓録』の日如の欄には、「当寺にて時々句会を開きし事あり」と誌されていることから、鷹筑波に出てくる俳僧はもちろん一般の俳人も、多くは妙満寺・成就院で盛んに句会が開かれていたことがわかる。
そうした作品が又本集の中に自然と収録されて行く結果になっていったものであろう。
《鈴木一成「徳川初期の本宗の俳僧について」『法華』十六巻四号、『国史大辞典』九巻「貞徳俳諧」・一一巻「俳諧」の項》