高島平三郎
高島平三郎
たかしまへいざぶろう
(一八六五-一九四六)
心理学者、教育者。
立正高等女学校(現・東京立正女子中・高校)の初代校長。
東京本郷生れ。
広島県福山に育ち備後浚明館、広島師範学校伝習所にて漢文学等を学び、東京英語学校において英文学を修めた。
ついで元良勇次郎の指導下に哲学・倫理学・心理学を研究『心理綱要』『児童心理学』『日本教育史』等を著述した。
教育面では広島県小学校教科用図書審査委員、東京高等師範学校附属小学校教授掛補、学習院助教授、日本体育会体操学校長、日本女子大教授等を歴任。
明治三九年(一九〇六)、日蓮宗大学教育学教授、東洋大学心理学教授となった。
さらに昭和元年(一九二六)一二月二八日に立正高等女学校長に就任、翌年同学園長となり創立まもない同校の発展に寄与、同二〇年三月に退職するまで一八年間にわたり日蓮聖人の精神に基づく女子教育の充実向上に献身した。
この間、阿部伯爵家経営の誠之舎長を勤めたほか皇族への進講、帝国教育会、日本弘道会、大日本少年団連盟等の活動にも協力指導し、日蓮宗の各種集会・講習会等にも講師として参画した。
日蓮聖人の鑽仰者としても著名で、明治四〇年二月に『高祖遺文録』を読んで感激、以来日蓮聖人の人格と思想に関して文筆・講演に尽力、日蓮主義女子教育の道を開拓した。『家庭及び家庭教育』『心理百話』『女の心附録嫁と姑』等の著作がある。
日蓮聖人については大正三年(一九一四)四月『心理学上より観たる日蓮上人』を洛陽堂より出版した。
同書は、日蓮聖人の人格面を中心に講演あるいは文章化してきた内容を収録したもので「今や社会の各方面に於て、日蓮聖人の如き人格を要すること切なり。
此の一小冊子、現在及び将来の日蓮を出すに、多少の刺衝たるを得ば幸甚なり」との立場から刊行した研究評論の書。
「発生心理学より見たる日蓮上人」「日蓮上人の人格」「妙力小観」「如是我観」「忠愛心の養成と日蓮主義」「世界統一は誇大妄想なるか」「唱題の心理」「情の日蓮上人」「日蓮上人の文学」「日蓮上人の自覚に就いて」「日蓮主義の特色」「信仰の研究」「我国思想史上に於ける日蓮上人の特点」などの標題に分けて論述「日蓮上人は模範的の人格を備へて居る人である」「諸君は遺文録の研究をなされて、何所何所までも、我が祖先にかかる偉大なる人格があったといふ事を追懐して、この偉大なる人格を模範として行かれん事を切に希望致します」等と語っている。
日蓮聖人を世に伝えようとする至情のあふれた教育・教化の書としての特色を持っており、著者の数多い著訳書の中でも代表的な作品である。
昭和二一年、八二歳で没する。