祟り
祟り
たたり
一般に神霊や怨霊などの意志や霊威にそむき、そのとがめにより災禍を受けることをいう。
その原因となる行為には、神仏をみだりに移動したり、神仏の祭を怠ったり、一般に禁忌とされることを犯すなどがある。また非業の死を遂げた人の怨霊や、神の使いなどの特定の動物、霊池、神木などに対して不敬の行為がある時、その他方位、暦法を犯した時等に祟りがあるとされる。その過誤を改め神意に沿うことによって、神霊が鎮まり、祟りがおさまって災禍が消えると信じられている。
天変地異、殊に地震を祟りと信じて地震神を祭り、神意を和らげる信仰は上古より行われ、王朝時代には「物の怪」と称して、生物非生物の祟りの信仰が盛んになった。
祟るとは神霊がとがめあらわれる現象を意味するが、後には怨念の報復や応報の観念が強くなる。
祟りの結果としては集団の場合は災害疫病となり、個人の場合は怪我、病気、不具、発狂、死などをもたらし、子孫に及ぶ場合は不具者として現れることが多いとされる。
修法上の五段の邪気は、憑霊の信仰に祟りの観念が入っている場合もある。
祟りを消滅させるには禊祓を行い、斎戒謹慎して罪を神に謝するのが古来の風習であるが、後には、神官僧侶の力によって幣注連護符祈祷等により調伏退散せしめるようになり、殊に陰陽道、修験道の発達に伴いその法力に頼ることが多くなった。
《『遺文辞典』歴史篇「たたり」の項》