灑水
灑水
しゃすい
香水(こうずい)を灑いで浄める作法で、もとはインドのバラモン教徒が行っていたものを仏教儀式の作法として採り入れ、密教各派で盛んに行われるようになったものである。
わが国では、真言、天台の密教各派でそれぞれ相伝があって一様ではないが、概略を記せば、まず、浄水に香木を入れて煮沸して香水をつくり、水瓶にうつし入れて小三銛印をむすび、甘露軍荼利咒をとなえて加持し、水瓶口を白紙で封じて仏前に供えておき、これを散枚で散灑するのが本義であるといわれている。
現今では特別な大法会に限り行われている作法で、通常には、浄水を灑水器、塗香を塗香器に入れて用意し、浄水に塗香を加えて香水をつくり、散杖をもって散灑浄する法がひろく行われ、道場を浄め、仏具を浄め、また行者みずからの身を浄めるなどのために修するものである。
しかし本宗では、灑水のみが単独で修せられることはほとんどなく、「灑水散華」という式で落慶入仏式の初めなどに行われている。
《『広説仏教語大辞典』『新版仏教学辞典』『岩波仏教辞典』「灑水」の項、『図説仏教語大辞典』「灑水器」の項》