妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

横川定光院の弁

よかわじょうこういんのべん #3628

横川定光院の弁

よかわじょうこういんのべん

繰り弁の一つ。
教諸宗研鑽のため比叡山を訪れた日蓮聖人は、ここを根拠として三井園城寺、高野山、四天王寺等の諸宗諸山を巡って勉学を続け、建長四年(一二五二)再び比叡山横川定光院に帰った、その情景を語った段。
本弁は、比叡山尊海が聖人の帰山した噂を聞き、その研鑽の成果を聞かんとして横川定光院を訪れる。
その頃、聖人は研鑽の結果得たある信念を心に秘めて堂に籠り、昼夜を分たず法華経読誦を続けている。
法華経法師品に至った時「若し能く妙法蓮華経を受持することあらん者は、當に知るべし仏の所依として諸の衆生を愍念する也」と、釈尊の金言を身に受け、「我不愛身命但惜無上道」と、法華経弘通者としての大願を決意して感涙に咽ぶ。
尊海は堂の外でその声を聞き、聖人の一宗建立の発願を悟り感激し、翌建長五年聖人が比叡山を下り清澄山に向う際、聖人の一切衆生を思い国を思う一念を称え、その本意を遂げるようにと進言する、という内容で、聖人の立教開宗に至る準備期の姿を通して聖人の偉徳を語る弁である。
定光院代の弁には他に「三十番神の影向」の弁がある。

← 事典トップ