楊枝本尊
楊枝本尊
ようじほんぞん
楊枝で書かれた曼荼羅本尊のこと。
楊枝とは歯木のことではなく、樹皮の先を砕いて筆にしたものをいう。
日蓮聖人真蹟の楊枝本尊は二幅が現存する。
一幅は別名「船中本尊」と称される本尊で、佐渡市両津湊の妙法寺に格護されている。
顕示年月日、授与者は不明であるが、伝承によれば、この本尊は文永十一年(一二七四)三月一五日、聖人が佐渡真浦より越後の柏崎に渡る船中にて楊枝をもって認められたものという(高祖年譜攷異)。
他の一幅は文永八年の筆で、京都市立本寺所蔵。
伝承によれば聖人が依智を発たれる前日(同年一〇月九日)楊枝をもって認められたものと伝える。
寂光寺日達は『置文諷誦抄』にこの本尊を揚げ、「彼寺(立本寺)木筆本尊と号す」と注記している(『宗全』第五巻二二八頁)。