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日蓮上人を論ず(内村鑑三著)

にちれんしょうにんをろんず #2950

日蓮上人を論ず( 内村鑑三著)

にちれんしょうにんをろんず

内村鑑三が明治二七年(一八九四)九-一〇月に書いた評論
雑誌『民の友』に掲載され、後に『警世雑著』に所収。
『代表的日本人』に収める「日蓮上人」が外国向けの評伝であるのに対し、この一文は日本の国民に向って日蓮聖人の誠実・勇気・忍耐・確信・先見性・経典崇拝主義等を称讃し「純粋なる日本的宗教なり」と主張したもの。
〈その一〉から〈その四〉に分けて日蓮聖人の性格と信仰活動の特色を評論し、日本歴史上の最大疑問物であり「真正の日蓮は最も描きがたい人物である」という視角に基づき、日蓮聖人に対する浅薄無情な批評から日蓮聖人を弁護することを目的とした。
宗教家日蓮の真正な姿はその真理を実行した日蓮自身に接しなければ認識できないと述べ、激烈の性をおびた熱誠の宗教家としての日蓮聖人像を提示した。
特に、敵には激しく友にやさしく、強者には頑固で弱者にもろく志望の荘遠なことを激烈な格を表明したものと見なした。
また法華経信仰を土台にして確信を天下に発表し試練を重ねながら無限の勇気・責任・自重心をもって経典崇拝の仏法をつくり出したことは英雄・巨人であった点を証明したものと指摘した。
更に誠実さと真価値をえた比類のない純粋な日本的宗教家としての日蓮聖人が富貴と権力によらず平民的仏教をうち立てた宗教改革と独立伝道の実例を与えた点に敬慕の念を表明した。
「彼のごときは今日の日本を化して世界を化するに至る者」とも述べ、卑屈軟弱な宗教家よりも宗教的熱誠を喚起した「一日蓮をうることを望む」と主張した。
このことは、自らの信仰姿勢から日蓮聖人に共感の気持を投入させたものであり、また的確で深い日蓮聖人観を示すものといえる。
《『内村鑑三信仰著作全集』二三巻》

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