日禅(南之坊)
日禅(南之坊)
にちぜん
(-一三三一)
駿河富士河合(静岡県富士宮市)の人。
滝泉寺において出家。
白蓮阿闍梨日興(一二四六-一三三三)の弘教の時に日秀・日弁と共に帰依して近郷を弘教したが、滝泉寺院主代平左近入道行智が所職・住坊を奪い取るなどの強圧にでたため河合に退いた。
その後日興に従い、日蓮聖人に給仕する『本尊分与帳』に「駿河国富士上方の河合少輔公日禅は日興第一の弟子也、仍って申与ふる所件の如し」とあるように、日興は聖人に本尊を申し請い、日禅に授与している。
聖人滅後、日興に随遂し大石ヶ原に南之坊を建立した。
また師の命を受けて河合入道の碑を上野に移して東光寺の基礎とし、日興の母、妙福尼の碑を河合に建て妙興寺の基とした。
更に駿府に妙音寺を建立し、元徳三年三月一二日南之坊にて入寂した。
《『宗全』「興尊全集・興門集」、堀日亨『富士日興上人詳伝』、『妙音寺過去帳』、『遺文辞典』歴史篇「日禅」の項》