太鼓
太鼓
たいこ
打楽器の一つで、元来は軍事の合図用として創始されたといわれているが、後に仏家の法具として用いられるようになったもので、法鼓(ほっく)ともいう。
法華経序品に「撃法鼓」、化城喩品に「撃于大法鼓」などとあるのが法鼓の原義であろうか。
形状は木材をくり抜いた円筒形の胴の両面に牛皮を張り、金属の鋲で止めたもので、大太鼓、吊太鼓、懺法太鼓、楽太鼓、団扇太鼓等、用途によって種類は多い。
古くは大山においては鐘楼と対をなすものとして鼓楼が設けられていたが、現今においては法要開始にあたっての昇堂太鼓、勤行時もしくは祈祷における読経、唱題の拍節をとる具として使われている。
葬儀、追善法要等ではあまり用いていない。
唱題に太鼓を用いるようになった起源は詳かではないが、『日本歳事年誌』によれば、松ケ崎題目踊の起源として、京都松ケ崎涌泉寺の実眼が徳治元年(一三〇六)八月一五日精霊供養のため太鼓を打ち唱題しながら踊ったとあることからみても、太鼓と唱題のかかわりは、すでにこの頃からあったものと思われる。
打法には、一本桴で(1)南無・妙法・蓮・華・経・と五点打する法と、二本桴で(2)南・無・妙・法・蓮・華・経・と七点打する法と、同じく二本桴であるが(3)南無妙・法・蓮・華・経・という風に大桴と小桴で変化をつけて打つ、いわゆる「ドンツクドンドンツクツク」という法などがあり『宗定法要式』では、(2)の法をとりあげている。