四種の毒気
四種の毒気
ししゅのどくけ
わが宗の修法道に衰退あるとすればそれは「四種の大毒気」に感染したに他ならない。
「四種の毒気」とは、(1)「修験師の廃学」(2)「宗学匠の陋見(ろうけん)」(3)「俗学者の悍(かん)排」(4)「権勢家の決意」のこと。
これは『法華験家訓蒙』の著者、斉藤義鑒の指摘警戒の言であると、同書の跋で記されている。
「修験師の廃学」とは、修験師が行学のうち、とりわけ学を疎そかにしていること。
「宗学匠の陋見」とは、宗学を講ずる者の多くが、因果とか転生とかいったことを偽りであると排斥し、無鬼論を唱えたりしていること。
「俗学者の悍排」とは、俗学者が修法加持祈祷の類を激しく排斥すること。
「権勢家の決意」とは、権勢家が加持法を不経として、時機をみて、これをすべて壊滅させようとしていること。
斉藤義鑒はこの四毒を除いて、先師の厚恩にむくいるための一助として『法華験家訓蒙』を著したのであり、この書が刊行されたことは「四毒撲滅の前芟(さん)なるか」と跋は称えている。