法華験家訓蒙
法華験家訓蒙
ほっけげんかくんもう
『仏書解説大辞典』ではホッケケンカと訓じている。
斎藤巍鑒(日一)の著。
六巻。
明治二一年(一八八八)刊行。
本宗の祈祷に関する諸事項をおよそ一四〇項目にわたって考証、解説したもの。
いわゆる相伝書の類ではないが、祈祷の緊要を述べたり、修法に対する世間の的はずれの批判に対しての反論などが随所にみられる。
本宗の祈祷の実践、研究に貴重な資料の一つ。
もともと本宗の修法に対して、他宗や外学の者からだけでなく、宗内からも、これを批判、蔑視する者があった。
とりわけ明治に入って、本宗の修法をとりまく諸状況にはきびしいものがあった。
斎藤巍鑒は、このような状況を、本宗の修法が「四種の毒気」に犯されて、まさに衰退せんとしているという危機感で捉え、情熱的にこの書を著した。
後の日蓮宗第二〇代管長となった藤原日迦は、この書に対して修験者の奥伝、極意書ともいうべき「験家の韜略」であると称賛した。
なお、著者は狸梅道人と号し、鎌倉妙本寺に寓居、明治二五年三九歳で没している。