十六王子
十六王子
じゅうろくおうじ
法華経化城喩品に説かれている一六人の王子。
大通智勝仏が出家しないころに、一六人の王子があり、その第一番目の子は智積といって、この王子の名前だけが明らかにされている。
大通智勝仏が、悟りを開いたと聞いて、さっそく一六人の王子は、そのもとにまいり、小乗教の四諦・十二因縁の教えを聞く。
この教えをいくたびか聞くことによって、一六人の王子達は出家して沙彌となり、大通智勝仏のもとで他の弟子達と共に修行する。
そして、ようやく機熟したることを知った大通智勝仏は、法華経を説くのである。
この聞法によって、一六人の菩薩沙彌は悟りを開き、東方に阿閦(あしゆく)仏(歓喜国)、須彌頂(しゆみちよう)仏、東南方では師子音(ししおん)仏、師子相(ししそう)仏、南方では虚空住(こくうじゆう)仏、常滅(じようめつ)仏、西南方では帝相(たいそう)仏、梵相(ぼんそう)仏、西方では阿彌陀(あみだ)仏、度一切世間苦悩(どいつさいせけんくのう)仏、西北方では多摩羅跋栴檀香神通(たまらばつせんだんこうじんづう)仏、須彌相(しゆみそう)仏、北方では雲自在(うんじざい)仏、雲自在王(うんじざいおう)仏、東北方では壊一切世間怖畏(えいつさいせけんふい)仏、娑婆国土では第一六番目の王子が、釈迦牟尼仏として仏になるのである。
釈尊が最も娑婆有縁の仏である証拠はここにもある。
《『遺文辞典』歴史篇「十六王子」の項》