門徒古事
門徒古事
もんとこじ
妙満寺四世鶴林院刑部阿闍梨日運(―一四二六年)著。
奥書に「応永三二年一二月一三日 妙満寺沙門 日運記 畢」とあるが、巻頭に略記日仁・日運両人とあるのは会津妙法寺二世本覚院宰相阿闍梨日仁(-一四一六)より聞く所を載録したものか(古来より日運記と称し、略して運記と通称する)。
玄妙阿闍梨日什改宗の前後より、日什の上洛、各地往来の道行き、日什の六老僧(会津六老僧)らの門徒帰順、国家諫暁、奏聞値難、日什建立寺院の経過、日什の直授日蓮、経巻相承の精神の確立等の史実を筆録したものである。
特記すべきは什門二大法難の慶長法難と共に挙げられる応永法難、即ち、応永五年(一三九八)四月日什の弟子日仁・日実らによって目安・申状を用意し、開闔所・奉行管領等を訪ね、将軍に披露を依頼するも邪魔が入り、目的を達しかねた気色を日仁が察し、同年六月五日に弟子信徒と共に死を決しての将軍への庭中言上の直訴をする。
しかし却って、将軍の怒りに接し、日仁らを拷問に付す。
この事洛中にひびき大いに宗風を揚げる、この様子が詳細に記せられている。
『宗全』第五巻所載。